活性酸素は、細胞のDNAを直接損傷し、遺伝子変異を引き起こします。特に肺がん、大腸がん、胃がんなどの発症リスクが高まることが研究で判明しています。40歳以上の方は、活性酸素によるDNA損傷のリスクが約1.5倍に増加すると報告されています。

活性酸素は、真皮層のコラーゲンとエラスチンを分解し、肌の弾力性を低下させます。紫外線暴露により活性酸素の産生が約3倍に増加し、メラニン生成が促進されてシミの原因となります。30代後半から、この影響が特に顕著になり始めます。

活性酸素は血管内皮細胞を損傷し、LDLコレステロールの酸化を促進します。この酸化LDLコレステロールが血管壁に蓄積することで、動脈硬化が進行します。50歳以上の方では、活性酸素による血管の酸化が原因で、心筋梗塞のリスクが約2倍になるとされています。

活性酸素による血管内皮の損傷は、血栓形成を促進し、脳血管の狭窄や閉塞を引き起こします。特に高血圧や糖尿病がある方は、活性酸素による脳梗塞のリスクが3倍以上に上昇します。毎年、日本で約29万人が脳梗塞を発症しており、その予防が重要です。